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2005年04月12日   EU環境

EU排出権取引スキームに関する欧州委員会の諸決定

今年1月1日から第一期(2005年~2007年)が開始したEU温室効果ガス排出権取引スキーム(EU ETS = The European Union Greenhouse Gas Emission Trading Scheme)であるが(第一期はCO2のみを対象)、欧州委員会は、中央ヨーロッパ時間12日、これに関連した問題に対応するために、いくつかの決定を下したと発表した。発表は、チェコ、イギリス(UK)、ポーランド、ルクセンブルク、マルタに関するものである。

チェコについては、第一期における国内割り当て計画(NAP = National Allocation Plan)が、欧州委員会によって認可された。これにより、チェコの企業は、今年元日から始動した世界最大のEU排出権取引市場に参入できることになる。

認可は、チェコ政府の申請通りに与えられる。これにより、2億9280万単位の許可証(2億9280万トンのCO2に相当)が、チェコ国内の436施設に与えられる。

当初、チェコ政府は3億2364万単位の許可証(3億2364万トンのCO2に相当)を望んでいたが、欧州委員会の要請を容れて、申請単位を引き下げた経緯がある。今回の決定について、スタヴロス・ディマス(Stavros Dimas)環境担当欧州委員は、歓迎の談話を発表している。

また、割り当て総量の引き上げを申請していたイギリスについては、欧州委員会は、申請を却下する決定を下した。これにより、昨年4月30日に連合王国政府によって提出され(提出期限は同3月31日)、同年7月7日に欧州委員会によって認可された当初の国内割り当て計画通り、総排出量として7億3600万単位の許可証(7億3600万トンのCO2に相当)が割り当てられつづける。

連合王国政府は、燃料転換(石炭からガス)・電力需要の見直しや、国内で独自に進めている気候変動プログラム(CCP)に関する事情変更などにより、7億5600万単位(7億5600万トンのCO2に相当)への上方修正を行なった国内割り当て計画の認可を、昨年10月27日に、欧州委員会申請していた。

欧州委員会は、つとにこのような申請は受け入れがたいものであることを発表していたが、今回、欧州委員会は正式に却下の決定を下した。この決定に対して、連合王国は、欧州司法裁判所に訴えを起こす構えも見せている。

さらに、欧州委員会は、今年の1月15日が締め切りだった2003年の温室効果ガス排出報告を怠っているポーランド、ルクセンブルク、マルタに対して、条約侵害の訴えを提起するための手続を開始した。

この手続は、欧州共同体条約226条以下に規定されたもので、まず欧州委員会は当該加盟国の聴聞の機会を与えるために催告を行う。ここまでが第一段階で、第二段階では、欧州委員会は理由を付した意見(アヴィ・モティヴェ)を公表する。アヴィ・モティヴェにもかかわらず加盟国が義務を遵守しない場合には、欧州司法裁判所に訴訟が提起されることになる。今回の手続は、第一段階にあたる。

国連気候変動枠組条約(UNFCCC)により、欧州委員会は温室効果ガスの年次報告を作成する義務を負っている。しかし、加盟国のデータが欠けると、年次報告が作成できない。

EUは、京都議定書のメンバーであり、2012年までに1990年比8パーセントを削減する義務を負っている。この義務を達成するため、EUは、EU排出権取引スキームを立ち上げた。2005年から2007年間の第一期がいわば試運転の期間であり、2008年から2012年までの第二期で本格稼動する。

EUは、京都議定書の削減義務を達成するとみられている。

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