欧州議会が決議:中国への武器禁輸措置の維持を要求
欧州議会は、中央ヨーロッパ時間14日、理事会の共同外交安全保障政策(GASP = Gemeinsame Außen- und Sicherheitspolitik)に関する年次報告に対して、決議を行なった。この中で、欧州議会は、アメリカ・日本の反対や、中国全人代における台湾に対する威嚇的な立法行為により、再び問題視されている中国への武器禁輸解除問題に触れ、「中国との関係が、商業的・経済的関係においてのみで進展するだけで、人権と民主制の領域にかかわる問題については、何らの根本的な成果も見られないことに、遺憾の意を表する」と中国を批判し、武器禁輸を継続することを要求した。欧州議会は、この決議を、圧倒的多数で可決した。
決議は、経済発展にもかかわらず進展の見られない中国の状況を批判し、また、ヨーロッパで激しい批判の的となった「反国家分裂法」等の威嚇行為についても言及しているなど、中国にとっては厳しい内容となっている。
また、決議は「東アジアにおける安定・民主制・人権・法治国家性を向上させるため、相互理解と相互承認に基づく政治的対話を再開することを、中華人民共和国及び台湾の中華民国に要求する」とし、婉曲的に、中国は台湾を独立国として承認した上で、台湾の民主制・人権状況・法治主義を見習うべきだと表現している。
ドイツ国内でも、中国への武器輸出解禁を推進してきた社会民主党(SPD)・シュレーダー首相に批判が集まっている。親米的な右派のキリスト教民主同盟・社会同盟(CDU/CSU)のみならず、社会民主党と政権与党を構成する緑の党も、平和主義の観点から社会民主党を非難している。
EU内では、アメリカとの関係が密接な連合王国(イギリス)や、平和主義をとる北欧諸国を中心に、中国への武器輸出解禁には批判が多い。これに対し、国連での常任理事国入りを狙うドイツを中心として、中国への武器輸出解禁が推進されていた。現在、中国は、ドイツの常任理事国入りに賛意を表明している(なお、日本の常任理事国入りには反対している)。
中国では、1989年6月に第二次天安門事件(胡耀邦の追悼を契機として民主化を求めて集会した学生が、人民解放軍により多数殺傷された事件)が起こり、人権侵害状況が世界的に問題視された。この事件をきっかけとして、欧州共同体は武器禁輸措置を決定した。
欧州議会の決議の該当部分は、次の通り。
訳文(欧州経済新聞社訳)
欧州議会は〔・・・〕
- 中国との関係が、商業的・経済的関係においてのみで進展するだけで、人権と民主制の領域にかかわる問題については、何らの根本的な成果も見られないことに、遺憾の意を表する;それゆえ、武器禁輸措置を解除しないことを理事会に要求し、また、中台関係に関して、対話を容易ならしめ、緊張を緩和し、軍備の撤廃を支援する可能性を模索することを理事会に要求する;
- 南シナに配備され、台湾海峡の対岸に向けられている大量のロケット砲に深く憂慮し、また、正義に反した方法で海峡の向こう側への状況を悪化させるような中華人民共和国の「反国家分裂法」についても深く憂慮の意を表す;東アジアにおける安定・民主制・人権・法治国家性を向上させるため、相互理解と相互承認に基づく政治的対話を再開することを、中華人民共和国及び台湾の中華民国に要求する;
原文
Das Europäische Parlament [...]
- bedauert, dass die Beziehung zu China nur im Handels- und Wirtschaftsbereich Fortschritte gemacht haben, ohne irgendwelche grundlegenden Erfolge, was die Fragen im Bereich der Menschenrechte und der Demokratie angeht; fordert den Rat deshalb auf, das Waffenembargo nicht aufzuheben und Möglichkeiten zur Erleichterung des Dialogs, zum Abbau der Spannungen und zur Unterstützung der Abrüstung im Zusammenhang mit den Beziehungen zwischen China und Taiwan zu finden;
- äußert sich zutiefst besorgt über die große Zahl von Raketen in Südchina, die auf die andere Seite der Straße von Taiwan gerichtet sind, und über das sogenannte Antiabspaltungsgesetz der Volksrepublik China, das auf ungerechtfertigte Art und Weise die Situation jenseits der Meeresstraße verschärfen würde; fordert die Volksrepublik China und die Republik China in Taiwan auf, die politischen Gespräche auf der Grundlage von gegenseitigem Verständnis und gegenseitiger Anerkennung wieder aufzunehmen, um Stabilität, Demokratie, Menschenrechte und Rechtsstaatlichkeit in Ostasien zu fördern;
(Quelle: Europäisches Parlament, Dok. A6-0062/2005)







