資本会社越境合併指令(第10会社法指令)が成立
欧州議会は、中央ヨーロッパ時間10日、提出されていた資本会社越境合併指令案を可決した。同指令は、これにより成立。官報による公布から1年半以内に、加盟国は同指令を国内法に転換する義務を負うことになる。
同指令は、欧州共同体条約の規定により、理事会・欧州議会の共同決定手続により立法すべきものとされている。指令案は、すでに昨年11月に理事会の可決を経ており、今回の欧州議会の可決により、成立したことになる。
欧州委員会のチャーリー・マクリーヴィー委員(域内市場・サーヴィス担当)は、「越境指令は新しい地平を開くものだ。この草案の可決は、EUのビジネス界から多年にわたって希求されてきたもので、EUのビジネスのための主たる一歩となる」と述べ、欧州議会の可決を歓迎した。
同指令は、異なる加盟国同士の資本会社の合併を実質的に可能にする、画期的な内容。これまでも、越境合併は不可能ではなかったが、手続の煩雑さやコストの面で、きわめて困難とされてきた。また、欧州会社(SE = Societas Europaea)を設立する方法も存在するが、いずれも、中小企業の利用は実質的に困難であった。
同指令の成立により、中小企業が国内法上の合併と類似の手続で合併できることになり、欧州内のM&Aが加速されると考えられる。
同指令は、原則としてすべての資本会社を対象とするが、例外として譲渡可能有価証券集団投資事業団(〔英〕UCITS = undertakings for collective investment in transferable securities、〔独〕OGAW = Organismen für gemeinsame Anlagen in Wertpapiere)は除かれるほか、加盟国は協同組合(Genossenschaften)をオプションとして除外できるとしている。
今回の指令案でもっとも議論となったのは、従業員の共同決定権の扱いである。従業員を会社の経営にどの程度まで参画させるかについては、加盟国によって法規定がまちまちであり、越境合併の場合には、この共同決定権を喪失するおそれがある(もちろん、その逆の場合もある)。この点、まずは交渉を行うが、交渉が決裂した場合には、原則としてもっとも共同決定権の大きいものが採用されることになる(但し条件がある)ということになる。







