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2005年05月16日   欧州会議

欧州会議の首脳会議が開幕

幅広い欧州国家間の交渉の場を提供する国際組織である欧州会議(〔仏〕Conseil de l'Europe、〔英〕Council of Europe、別名:欧州評議会)=事務局:ストラスブール=の第三回首脳会議が、中央ヨーロッパ時間16日、ワルシャワで開幕した。首脳会議は、16日・17日の2日間の日程で開催され、全46加盟国が出席する見込み。

今回の首脳会議では、中東欧諸国のEU加盟などの欧州統合の進展により大きく変化しつつある欧州情勢の中で、今後、欧州会議がいかなる役割を果たすかという点について、方向性を模索する。

会議は、「欧州の統一と欧州の価値」(第一部、16日午前)、「欧州社会の諸問題」(第二部、16日午後)、「欧州の構造」(第三部、17日午前)の三部に分かれるが、それに先立ち、ホスト国ポーランドのアレクサンデル・クファシニエフスキ大統領が、開幕演説を行った。

第一部と第三部のテーマに関して、クファシニエフスキ大統領は、「願わくは、欧州会議が、欧州安全保障協力組織(OSCE)や欧州連合(EU)と協力していく方向で考えたい。よく推敲して共同宣言を行えば、近代的・文明的・民主的・友好的で、それでいて強大で安定した欧州に向けた努力をするにあたって、我々は一つになれるだろう」と述べた。

ここには、OSCEに象徴される善隣・平和・安全保障や、EUの自由主義・民主制・人権・法治国家などの基本価値をベースとして、欧州会議を通じて、これらの基本価値を他の欧州会議加盟国にも伝播させるという基本構想が看取される。

欧州会議加盟国46か国のうち、EU25か国を中心として民主的な国家は過半数を占めるが、人権状況に問題があるロシアのほか、西バルカン諸国やCIS諸国など、これから民主化・近代化が必要な国は少なくない。

ポーランド自身、旧ソ連下での共産独裁体制から民主国家への転換を果たしたが、かかる中東欧諸国の体制転換において、欧州会議が果たした役割は少なくない。クファシニエフスキ大統領は、「私たちはみな、欧州会議の機構が、ヨーロッパにおける平和・民主制・安定のために、何をしてくれたかを記憶している」と訴え、欧州会議がこれからも果たすべき役割を示唆した。

すなわち、発展段階の異なるさまざまな国々が集うこのフォーラムに期待される役割は、特に、加盟国間の友好関係と平和、自由主義や民主主義へのコミット、人権保障といった根本的な点で、今後も大きい。

また、第二部のテーマに関して、クファシニエフスキ大統領は、「欧州がこの新しいミレニアムで直面する種々の問題に気を配らねばならない。テロリズム、組織犯罪、人身売買、児童搾取、ドメスティック・ヴァイオレンス(DV)、汚職、外国人排斥、不寛容、人種差別、汚職〔原文のまま〕、サイバー犯罪・なりすまし・テロリストへの資金供与のような新型の悪事といったものは、我々が直面している深刻な脅威の、氷山の一角に過ぎない。栄養失調や飢餓、失業、人間成長の視点の欠如、効率の悪い社会支援・健康支援等の内政上の改善点が数多くあることも、忘れてはならない」と述べ、欧州会議を通じて扱うべき個別的な問題もまた山積していることを指摘した。

欧州会議は、1949年に発足した国際組織で、閣僚会議を中心とした交渉を基に条約を締結する手法によって、加盟国間のミニマム・スタンダードを形成する場として機能している。特に、この国際組織の枠組のなかで締結された欧州人権規約は、加盟国の人権侵害に制裁を課して人権保障を担保する画期的な国際裁判所である欧州人権裁判所=ストラスブール=の成功により、評価が高い。そのほかにも、広汎な分野で数々のミニマム・スタンダードを形成してきている。

今後も、同様の手法により欧州の発展に寄与することが、期待されていくものと見られる。

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