繊維製品:欧州委員会が中国に対するセーフガードの検討を開始
欧州委員会は、中央ヨーロッパ時間17日、中国に対する繊維製品のセーフガード発動の検討を開始したと発表した。
今回、対象となるのは、欧州委員会が調査対象としている9品目のうち、輸入の激増が著しかったTシャツ(カテゴリ4)と亜麻糸(カテゴリ115)の2品目。WTO上の欧中間の新たな火種となりそうだ。
欧州委員会の調査によれば、この一年で、中国からのTシャツの輸入は187パーセント増加(=2.87倍)、また、亜麻糸については56パーセント増加した(=1.56倍)。
特に、Tシャツについては、2005年の第一四半期だけで約2億4300万枚のTシャツが中国から輸入され、実に、前年同期比で約1億5900万枚も増加したという。
欧州委員会は、このような中国からの安価なTシャツ輸入の急造によって、ギリシャでは12パーセント、ポルトガルでは30~50パーセント、スロヴェニアでは8パーセント、Tシャツの生産が落ち込んだといい、中国からの大量輸入によって域内市場の生産活動が圧迫されている実態を浮き彫りにした。
また、欧州委員会は、中国製の安価な繊維製品は、他の第三世界諸国の生産をも圧迫しているといい、パキスタン産Tシャツの輸入が37パーセントも落ち込んだほか、スリランカ産は25パーセント、バングラデシュ産は9パーセント輸入が落ち込んだと指摘した。
欧州委員会は、すでに中国産の繊維製品9品目について、先月29日に調査を開始しているが、調査には、2か月近く要する見込み。調査の過程で、今回の2品目については、緊急の対応が必要と判断した模様だ。
WTOの中国加盟議定書によれば、中国に対しては、2008年末までの時限的セーフガード措置が可能。欧州委員会は、まずは、中国側の自主的な輸出制限を要求することになる。要求から15日以内に自主的な輸出制限措置がなされない場合には、欧州委員会からの輸入制限措置が可能となり、さらに、90日以内の諮問手続が奏功しなかった場合には、欧州委員会はセーフガード措置をとることができる。






