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2005年05月25日   EU情報社会

欧州委員会のユニヴァーサル・サーヴィス報告書

欧州委員会は、中央ヨーロッパ時間24日、ユニヴァーサル・サーヴィス指令(欧州共同体指令2002年22号)の実施状況に関する報告書をまとめた。

報告書では、携帯電話回線については既にほとんどの消費者がアクセスできていると評価した一方、ブロードバンド回線のアクセスはまだ少数派にとどまっていると指摘した。しかし、結論としては、現時点ではユニヴァーサル・サーヴィス義務の射程の拡大は不要と判断した。

ユニヴァーサル・サーヴィス指令は、加盟国に対して、ユニヴァーサル・サーヴィスの提供を義務付けるもので、2002年から施行されている。ユニヴァーサル・サーヴィスとは、国内のすべての者が一定の質の通信サーヴィスに平等・安価にアクセスできることを保障することで、情報社会においてきわめて重要な課題となっている。

指令の規定するところによれば、現在のユニヴァーサル・サーヴィスの射程は、(1)固定電話回線からローカル回線へのアクセスを保障した上で、(2)その利用者がローカル通話・国内通話・国際通話・ファックス・データ通信を行うことができなければならないとするものである(指令4条)。その他、電話帳(同5条)・公衆電話(同6条)・障害者のアクセシビリティ(同7条)に関しても規定がある。

指令15条は、指令の国内法転換期限の翌日である2003年7月25日から2年以内に、ユニヴァーサル・サーヴィスの射程について点検を行うべきものとしており、今回の報告書は、この点検を行うために作成された(次回以降は、3年ごとにアセスメントを行う)。

今回の報告書で検討の対象となったのは、携帯電話回線とブロードバンド回線。

このうち、携帯電話回線については、すでに域内人口の95パーセントにとって利用可能な状況となっており、また、2004年2月の時点で、域内人口の81パーセント(拡大前の15加盟国の84パーセント、新規10加盟国の62パーセント)が現に携帯電話を利用しているとして、ユニヴァーサル・サーヴィスの射程に携帯回線を含めることは不要と判断した。

また、ブロードバンド回線についても、域内人口の85パーセントにとって利用可能な設備状況となっているとされたが、実際に利用しているのは域内人口の6.5パーセントに留まっている現状も明らかとなった。また、新規10加盟国においては、回線自体の設置も遅れていることが指摘された。

加盟国のうち、ブロードバンド回線がもっとも広まっているのはデンマークで、2004年7月時点で15.6パーセントがブロードバンドを利用しているとされた。その後には、オランダ(14.7パーセント)、ベルギー(14.0パーセント)、スウェーデン(12.1パーセント)、フィンランド(11.0パーセント)、オーストリア(8.7パーセント)、フランス(8.2パーセント)、エストニア(7.6パーセント)、連合王国(7.4パーセント)、スペイン(6.7パーセント)、ドイツ(6.6パーセント)、ポルトガル(6.4パーセント)、イタリア(6.1パーセント)、ルクセンブルク(5.7パーセント)、スロヴェニア(3.8パーセント)、マルタ(3.5パーセント)、リトアニア(2.5パーセント)、ハンガリー(2.2パーセント)、キプロス(2.0パーセント)、アイルランド(1.7パーセント)、ラトヴィア(1.5パーセント)と続き、チェコ(0.7パーセント)、ポーランド(0.5パーセント)、スロヴァキア(0.4パーセント)、ギリシア(0.2パーセント)では1パーセントに満たなかった。

この調査結果について、欧州委員会は、「一般論として〔・・・〕『ディジタル・ディヴァイド』が発生するおそれがある」としながらも、「現段階では、ブロードバンド接続は、通常の社会生活にあたっては、必ずしも必要とはいえず、ブロードバンドへのアクセスがない場合にも、社会的疎外となるわけではない」とし、ブロードバンド回線についても、ユニヴァーサル・サーヴィスに含めることは見送られた。

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