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2005年05月28日   EU憲法・基本条約・人権

ドイツ連邦理事会が欧州憲法条約批准法を可決:CSUガウヴァイラー議員が憲法訴訟を提起

ドイツの連邦理事会(Bundesrat、別訳:連邦参議院)は、中央ヨーロッパ時間27日、欧州憲法条約を批准する法律案を可決した。これにより、連邦議会・連邦理事会の双方で必要な3分の2の特別多数決で可決されたことになり、立法府による批准手続は実質的に完了した。

同日、連邦議会のペーター・ガウヴァイラー(Peter Gauweiler)議員は、同法律の合憲性を問い、連邦憲法裁判所(Bundesverfassungsgericht)に憲法訴訟を提起した。ガウヴァイラー議員が勝訴する公算は高くないが、ホルスト・ケーラー(Horst Köhler)連邦大統領は、連邦憲法裁判所の違憲審査手続が済んだ後に批准手続を完了させることを表明しており、ローマへの批准書の寄託の引き延ばしにはなると見られている。

連邦理事会は、ドイツの各州政府(Landesregierungen)の代表者により構成される合議機関で、民選議会である連邦議会(Bundestag)とともに、立法機関の一翼を担う。

27日の連邦理事会は、欧州憲法草案を起草したヨーロッパ・コンヴェンションで議長をつとめ、「欧州憲法の父」とされるヴァレリー・ジスカール・デスタン(Valéry Giscard d'Estaing)元フランス大統領の臨席の下で、開催された。

投票の結果、棄権したメックレンブルク=フォアポンメルン州(Mecklenburg-Vorpommern)を除き、全州が賛成票を投じ、当初の予想通り、必要な3分の2の多数をあっさりクリアした。CSUが与党となっているバイエルン州も賛成票を投じた。

メックレンブルク=フォアポンメルン州は、社会民主党(SPD)と民主社会党(PDS)の連立政権となっており、PDSが欧州憲法に反対する立場をとるため、棄権となった。連邦議会における投票でも、PDS所属の議員は反対票を投じており、PDSの反欧色が明らかとなった。PDSは、かつて旧東ドイツで独裁政権を築いた社会主義統一党(SED)の後進で、現在でも旧東独地域で僅かながら支持がある(しかし、前回の選挙で連邦議会の議席を減らし、既に連邦議会では会派を形成できない状況にまで追い込まれている)。

CSUのガウヴァイラー議員は、これらの結果を不服として、連邦憲法裁判所に憲法訴訟を提起。連邦議会・連邦理事会には、欧州憲法条約を批准する権限はなく、憲法たる基本法(Grundgesetz)を他の憲法で代替するには国民投票が必要と主張している。

ガウヴァイラー議員は、4月にも同裁判所に憲法訴訟を提起したが、成立していない批准法に対して憲法訴訟を提起することは不可能として却下されている。

今月13日の連邦議会の投票時には、反対票を投じた23人のうち13人がCSU所属議員であった。CSUは、バイエルン州にのみ存在する政党で、連邦議会ではキリスト教民主同盟(CDU)と統一会派を組んでいる。

CSUの投票行動や、ガウヴァイラー議員の憲法訴訟提起は、いまだにくすぶるバイエルン州の反欧色を象徴しているといえよう。

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