フランス国民投票:EU三府の長が共同宣言
中央ヨーロッパ時間29日に開票され、否決が明らかとなったフランス国民投票について、同日夜、ジョセップ・ボレル・フォンテジェス(Josep Borell Fontelles)欧州議会議長、ジャン=クロード・ユンカー(Jean-Claude Juncker)欧州理事会議長(議長国ルクセンブルク首相)、ジョセ・マヌエル・バローゾ(José Manuel Barroso)欧州委員会委員長は、共同宣言を行った。
共同宣言では、フランス国民の民主的な決定を「了知しておく(zur Kenntnis nehmen)」とした上で、落胆の意を表した。
今回の結果については、分析が必要だとし、すでにEU全人口の49パーセントに相当する9か国がすでに批准したことも想起されなければならないとした。
30日朝、ギュンター・フェアホイゲン欧州委員会副委員長はARDのニュース番組に出演したが、大体上記の趣旨に沿って発言した。なお、「否決された場合に備えての代替案(Plan B)はあるのか?」との質問には、「ない。ありえない。」と述べた。
今回の結果については、すでに各方面から分析が述べられている。中でも、「そもそも国民にとって、EUが何をやっているのかまったく分からないところに問題があり、EU機関は何をやっているのかをもっと国民に分かりやすくアピールすべきだ」とする意見(ドイツ連邦議会SPD副会派長のシュヴァル=デューレン(Schwall-Düren)議員など)は、もっとも正鵠を射ており、傾聴に値する。
今回の国民投票は、EUに対する多くの誤解の下で行われた。もちろん、国民の無知を利用していたずらに不安を煽ったポピュリスト政党のキャンペーンにも大きな原因があるが、そもそも、EUがもっと国民に分かりやすく親しみやすい存在であれば、ポピュリスト政党に付け入るスキを与えることはなかったはずであった。
「ヨーロッパ」がテクニカルでありすぎ、また、官僚的でありすぎることは、古くは1970年代から問題視されていたことである。その後、EU旗の制定や教育・スポーツ活動等を通じたヨーロッパの可視化が行われてきたのであるが、肝心のEU自体が国民のために何をやっているのかが国民にはほとんど見えてこなかった。
今後は、いかにEU機関が国民に対して自己の活動をアピールできるかという点が、大きな課題となってくるだろう。




