第二次・第三次産業:ラトヴィアの賃金は連合王国の10分の1以下
欧州統計局(Eurostat)は、中央ヨーロッパ時間30日、2002年の第二次・第三次産業に関する賃金データのブリーフィングを行った。
それによれば、第二次産業・第三次産業におけるEU25か国の平均賃金は2万6800ユーロだった。このうち、最高は連合王国の3万6200ユーロ、最低はラトヴィアの3200ユーロで、平均賃金に10倍もの格差があることが明らかとなった。
業種別に見ると、もっとも平均賃金が高いのはファイナンス分野であった。
該当分野で、最も賃金が安いのは、第一位がラトヴィア(3200ユーロ)、第二位がリトアニア(3600ユーロ)、第三位がエストニア(4400ユーロ)で、三位までをバルト三国が独占する結果となった。4位はスロヴァキアの5000ユーロだった。
反対に、賃金が高かったのは、順に、連合王国(3万6200ユーロ)、ルクセンブルク(3万5000ユーロ)、ドイツ(3万4600ユーロ)だった。しかし、連合王国の給与が高いのは、外為相場の影響もあるほか(連合王国はユーロ流通国ではない)、連合王国の物価高も反映しており、購買力に直すと、ルクセンブルク、ドイツ、連合王国の順になった。
EUは、域内で労働市場を単一化しているため、各国の労働力の価格に格差がありすぎることは大きな問題となる。特に、賃金が高すぎると、企業が安価な労働力を求めて国外に逃避するために産業が空洞化したり、安い労働力が流入して国内の失業率が増加したりする。また、労働法上の規制と結びつく場合には、産業構造の変化に伴う柔軟な合理化が不可能となり、企業の倒産が増加する事態も生じる。
このほか、ブリーフィングで目をひくのが、高等教育修了者とそれ以外との賃金格差である。第三次教育修了者の賃金が、EU25か国の平均で4万1080ユーロであるのに対し、第二次教育修了者が2万5990ユーロと大きく開いている。このことは、ヨーロッパが一種の学歴社会であることを物語っている。
また、男女間での格差を見ると、男性の平均が2万9900ユーロであるのに対し、女性の平均が2万1400ユーロとなっており、まだまだ男女間で格差があることが分かる。中でも、格差が少なかったのは、スロヴェニア、ハンガリー、ポーランド、リトアニア、ベルギー、スウェーデン、フィンランドであった。
このうち、東欧諸国については、旧社会主義時代に労働は義務とされ、女性についても労働を行う慣行が根づいたことによるものであろう。北欧諸国についても、伝統的な社会国家思想によるものであろう。これらと比較すれば、いわゆる西ヨーロッパでは概ね女性の労働市場進出は遅れており、ひときわベルギーの健闘が目立つ。






