スイスの国民投票がシェンゲン・ダブリン両協定加盟を可決:同性婚法案も可決
中央ヨーロッパ時間5日、スイスの国民投票は、同国のシェンゲン協定・ダブリン協定への加盟を可決した。これにより、スイスとシェンゲン諸国との間のパスポートコントロールが撤廃されることになる。加盟時期については、2008年ごろと見られている。
また、同日、同性婚法案に関する国民投票も行われ、賛成多数で可決された。
シェンゲン・ダブリン両協定に関する国民投票では、賛成147万4704票、反対122万6449票の賛成多数(54.6パーセント)で可決された。投票率は、55.9パーセントだった。
シェンゲン協定は、シェンゲン基本協定とシェンゲン施行協定の総称で、協定締約国間のパスポートコントロールを撤廃し、その実現のための具体的施策を定める内容。ダブリン協定は、締約国間のアジール(庇護)審査の調整を定める内容。
現在、EU加盟国としては、連合王国・アイルランドを除く東方拡大前の加盟国(ドイツ・フランス・イタリア・ベルギー・オランダ・ルクセンブルク・デンマーク・ギリシア・スペイン・ポルトガル・オーストリア・スウェーデン・フィンランド)が締約国となっているほか、EU非加盟国のノルウェー・アイスランドも締約国となっている。今後、スイスが加盟することになれば、3か国目の非EU締約国となる。
シェンゲン加盟国同士の人の移動については、国境でのパスポートコントロールは禁止されており、このことは協定国の国籍かどうかに関係になく適用される。したがって、スイスの加盟後は、日本人についても、他のシェンゲン加盟国からスイスに到着する場合は、空港その他でのパスポートコントロールは撤廃される。また、スイスから他のシェンゲン加盟国に到着する場合も同じである。
但し、スイスはEU加盟国ではないので、税関検査は引き続き行われる。
スイスにとっては、パスポートコントロールの撤廃を受け入れる代わりに、シェンゲン情報システム(SIS)へのアクセスが保障されることになる。これにより、特に、いずれかのシェンゲン加盟国で既に却下されたアジール(庇護。難民として保護してもらうこと)申請についての情報が手に入ることになり、アジール却下が容易になる。
スイスは、元来EUに対する反対感情の強い国であり、これまでEUに関する国民投票は否決されるのが常であったが、今回については、スイスにこうした旨味があるために、可決されたものと見られている。
また、同日行われた同性婚法(Partnerschaftsgesetz)に関する国民投票も、58パーセントの賛成で可決された。
ヨーロッパでは、オランダ・ベルギーで完全な同性婚(異性婚とまったく同じ)が認められているほか、ドイツ・フランス・スウェーデン・デンマーク・ノルウェー・フィンランド・ハンガリー・ポルトガル・連合王国などで不完全な同性婚(異性婚と異なる法制度だが、権利義務は異性婚とほぼ同じ)が認められている。
スイスの法案は、不完全な同性婚に該当する内容。





