7月からドイツの電気・ガスが自由化:エネルギー経済法が妥結
中央ヨーロッパ時間10日、連邦議会と連邦理事会(連邦参議院)の間の協議会手続が妥結し、エネルギー経済法(EnWG = Gesetz über die Elektrizitäts- und Gasversorgung (Energiewirtschaftsgesetz))が成立する見通しとなった。両会協議会は15日に最終的に確定した条文を可決する予定で、その場合には、同法は当初の予定通り7月1日から施行される見通し。
同法は、EUの電気域内市場指令*を国内法に転換するために制定される。
同法は、4月15日に、連邦議会において可決されたが、連邦理事会の反対に遭ったために両会協議会手続に回されていた。現在、ドイツでは、連邦議会の多数派は社会民主党(SPD)・緑の党の与党が占めるが、連邦理事会の多数はキリスト教民主同盟(CDU)・キリスト教社会同盟(CSU)が占める状況になっている。
同法は、ドイツの電気・ガス供給市場における競争をより活発化させる内容。これに伴い、従来の通信郵便規制庁(通称:レック・テー・ペー、Reg TP = Regrierungsbehörde für Telekommunikation und Post)は管轄を電気・ガス市場に拡大することになり、名称も「連邦諸網庁(Bundesnetzagentur)」と改称される。
原案では、環境保護の観点から、電気代の請求書に、その電気が火力発電によるものか、原子力発電によるものか、再生可能なエネルギー(風力・地力・波力など)の発電方式によるものかが記載される予定だったが、両会協議会での協議の結果、この記載義務については原案よりも後退した内容となった。この点をレナーテ・キューナスト(Renate Künast)連邦消費者保護大臣(緑の党)は批判している。
一方、アロイス・リール(Allois Rhiel)ヘッセン州経済大臣(CDU)は、法律の施行は電気代の低下につながり、消費者・企業に良い影響をもたらすとしている。
欧州委員会のアンドリス・ピーエバルクス(Andris Piebalgs)委員(エネルギー担当)は、7日に、ドイツに対して、早く法律を制定することを促していた。
*) Richtlinie 2003/54/EG des Europäischen Parlaments und des Rates vom 26. Juni 2003 über gemeinsame Vorschriften für den Elektrizitätsbinnenmarkt und zur Aufhebung der Richtlinie 96/92/EG (ABl. EU Nr. L 176 S. 37) und der Richtlinie 2003/55/EG des Europäischen Parlaments und des Rates vom 26. Juni 2003 über gemeinsame Vorschriften für den Erdgasbinnenmarkt und zur Aufhebung der Richtlinie 98/30/EG (ABl. EU Nr. L 176 S. 57)