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2005年07月15日   EU情報社会

欧州委員会が無線LANのために新たな帯域を割り当て

欧州委員会は、中央ヨーロッパ時間14日、EUの無線LAN環境の改善のため、新たに二つの帯域(Frequenzbänder)を割当てる決定を行った。新たに割当てられるのは、5150メガヘルツから5350メガヘルツ(5.15ギガヘルツから5.35ギガヘルツ)の帯域と、5470メガヘルツから5725メガヘルツ(5.47ギガヘルツから5.725ギガヘルツ)までの帯域。

EU加盟国は、今年の10月31日までに欧州委員会の決定を国内で実施しなければならないとされており、実施後は、両帯域が無線LANのために使用されることになる。

無線LAN(Funk-LANs, réseaux locaux radioélectriques, RLANs = radio local area networks)は、アクセスポイントと端末等の間で、電波によりパケット伝送を行う技術。WiFiにより規格の標準化がなされており、出先での公衆アクセスポイント(ホットスポット)経由の接続も可能であるという利点もあり、実用化が進んでいる。

欧州委員会によれば、現在、WiFiの使用者は世界で1億2000万人(うち、西ヨーロッパで2500万人)と推計されているが、3年後には5億人以上になると予想されており、来たるべき需要の増大による伝送の過密化に備えて、帯域を拡大した形だ。

5ギガヘルツ帯域の使用は、国際電気通信連合(ITU = International Telecommunication Union)の2003年世界無線通信会議(WRC-03 = World Radiocommunications Conference 2003)で世界的な合意に達しており、今回の決定は、それに沿ったもの。したがって、日本や合衆国でも欧州の機器が使用可能となる見込みだという。

現在、欧州では2.4ギガヘルツ帯域(もともと電子レンジなどに使用されていた)が無線LAN用に使用されているが、同帯域と5ギガヘルツ帯域の双方に対応できる機器(dual band equipment)も既に出荷されているという。

5ギガヘルツ帯域は、もともと軍用レーダーなどに使用されていた帯域だが、TPC(Transmitter Power Control)やDFS(Dynamic Frequency Selection)などの技術が発展したために、混信を防止することが可能になり、無線LANにも開放されたという。欧州委員会によれば、2.4ギガヘルツ帯域よりも5ギガヘルツ帯域のほうが伝送が早いといい、典型的には11Mbpsが54Mbpsに向上するという。

「i2010」計画を推進する欧州委員会のヴィヴィアンヌ・レーディング委員(情報社会担当)は、「スピードのある電気通信網は、欧州の競争力には不可欠のものです(Schnelle elektronische Kommunikationsnetze sind unabdingbar für Europas Wettbewerbsfähigkeit)」「今日の欧州委員会の決定は、欧州域内市場において無線VoIPのような刷新的なサーヴィスの提供にあたって、産業を支援することになるでしょう(Die heutige Kommissionsentscheidung wird die Industrie dabei unterstützen, im europäischen Binnenmarkt innovative Dienste anzubieten, wie z.B. drahtlose Sprachübertragung über das Internet (VoIP))」と述べ、今回の決定が経済に好影響を与えることを強調した。無線LANは、無料ないし安価で提供されるため、利用者の通信コストを下げる一方、提供者にとっての収益性には不安があるとされる。

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