2003年のEU生涯学習参加率:オーストリア、スロヴェニア、ルクセンブルクで高い
欧州統計局(Eurostat)は、中央ヨーロッパ時間6日、一昨年(2003年)におけるEU加盟国の生涯学習参加状況の調査結果を公表した。生涯学習は、もともとユネスコ(UNESCO = United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization)の継続教育部長ポール・ラングラン(Paul Lengrand)が1965年の成人教育推進国際委員会で提唱した概念(「éducation permanente」)で、近年ではG8サミットなどでも重要課題として取り上げられている。
欧州統計局の統計によれば、就業年齢層(25歳~64歳)において、2003年に何らかの学習活動に参加したと回答したのは、EU25か国平均で42パーセント(男性43パーセント、女性41パーセント)だった。内訳を見ると、正式な教育機関(大学院・大学など)で就学している(いた)のが4パーセント、その他の教育施設(商工会議所など)で学習する(した)のが17パーセント、私的な教育を受けている(受けた)のが全体の3分の1(33パーセント)程度だった。
もっとも、欧州統計局は、「私的な教育」の中には、セミナーなどだけではなく、「コンピュータで学んだ」、「本を読んで学んだ」という種類のものも含めてもよいとしており、そのことを考慮すれば、全体の3分の1というのは決して高い数字ではない(むしろ低すぎるとさえいえる)。
この点、欧州統計局は、回答者が結局どこまでを含んで回答したかについては、個人差が大きかった弁解しているが、そうだとすれば、欧州統計局の調査方法に問題があったわけであり、出てきたデータについても、取扱いには十分気をつける必要がある。しかし、この点に十分留意した上であれば、国別の就業年齢層の学習意欲の大まかな傾向を知るには、興味深い参考資料となる。
以上の留保を付しながら、国別に見てみると、生涯学習参加率が最も高かったのはオーストリアであり、89パーセント(男性90パーセント、女性88パーセント)だった。
その次に来たのは、ともに82パーセントで、スロヴェニア(男性83パーセント、女性81パーセント)、ルクセンブルク(男性82パーセント、女性81パーセント)だった。4位はデンマークで、80パーセント(男性79パーセント、女性80パーセント)だった。5位はフィンランド(77パーセント:男性74パーセント、女性81パーセント)、6位はスウェーデン(71パーセント:男性69パーセント、女性73パーセント)となり、北欧で生涯教育が流布している状況が明らかとなった。
逆に、低いほうを見ると、最低となったのはハンガリー(12パーセント)であり、比較的教育水準が高いとされる同国で、生涯学習がないがしろにされている実態が浮き彫りとなった。その他、ギリシャ(17パーセント)、スペイン(25パーセント)、リトアニア(28パーセント)、チェコ(29パーセント)の参加率が低かった。





