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2005年09月18日   EU司法・内務・出入国管理

ウクライナからシェンゲン地域への短期滞在が容易に

欧州委員会は、中央ヨーロッパ時間15日、ウクライナ人のシェンゲン地域への短期滞在を容易にする協定を締結するための交渉の開始を求める勧告を採択したことを発表した。勧告が理事会により了承されれば、欧州委員会はウクライナとの協定締結のための交渉を始めることになる。

シェンゲン地域とは、いわゆるシェンゲン協定(基本協定と施行協定がある)に加盟した国々で、EU加盟国にノルウェー・スイスを加えたもの。原則として国境(空港など)のパスポートコントロールを撤廃することになるが、連合王国、アイルランドは撤廃しない。また、東欧諸国については、撤廃は2007年以降となる見込み。そのほか、モナコやヴァティカンなどは、シェンゲン協定加盟国ではないが、シェンゲン加盟国との入国審査を撤廃しているため、事実上シェンゲン地域となっている。

シェンゲン地域では、一旦入ってしまうと、誰であってもその中を自由に動きまわることができる。このため、加盟国同士の査証(ヴィザ)政策や国境警備などを平準化する必要がある(一つでもヴィザ審査や国境警備の甘い国があれば、そこから不法入国者・組織犯罪者・テロリストなどが侵入することになるため)。

ウクライナは、もともと親ロシア派が政権を握っていたが、オレンジ革命により新ロシア派が失脚して以降、ヴィクトル・ユシチェンコ(Viktor Juschtschenko)大統領率いる新政権はEU加盟を国家目標として標榜しており、EU側もこれを歓迎している。今回の動きも、欧・ウクライナ間の関係強化の一端として注目される。

すでに、ウクライナ側は、今年3月31日に、時限的措置として、9月1日までのEU市民とスイス国籍者の入国査証(入国ヴィザ)の撤廃する法令を公布していたが、7月28日には、さらに、これを永久に撤廃する法令を公布していた。

EU側も滞在規制を緩和する方向で検討を始め、8月末には交渉の開始を求める勧告を採択した。現在の案によれば、最大三箇月の短期滞在についてはヴィザなし入国を可能とするほか、その他の滞在についても、ヴィザ申請手続や許可基準などについて協定に規定する予定。安価な労働力の流入による雇用状態の悪化の防止や、売春などの反倫理的な業種への就業の防止(ドイツではこの点のヴィザ政策に不適切な点があったことが最近明らかになり、大きな問題となった)などの措置が講じられるものと見られる。

今年12月1日には欧ウクライナ首脳会談が予定されており、欧州委員会は、それまでに交渉を開始することを目指している。

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