欧州第一審裁判所:ダイムラー・クライスラー社の罰金を引き下げ、7分の1以下に
欧州第一審裁判所(Gericht erster Instanz、欧州司法裁判所の下級審)は、中央ヨーロッパ時間15日、係属していたダイムラー・クライスラー株式会社対欧州委員会事件(DaimlerChrysler AG ./. Kommission、事件番号T-2001年325号)について、当初欧州委員会から科せられていた7182万5000ユーロの罰金を、980万ユーロにまで減額する判決を下した。
欧州委員会は、2001年10月10日、ダイムラー・クライスラー社が、ドイツ、ベルギー、スペインの販売業者とメルセデス・ベンツ(Mercedes-Benz)銘柄の自動車の小売に関して取り極めを行い、競争を阻害していたとして、7182万5000ユーロの罰金を科する決定を下していた。
しかし、この決定を不服として、ダイムラー・クライスラー社は第一審裁判所に提訴していた。
第一審裁判所は、概ね次のような理由付けにもとづき、ドイツとスペインでは競争法違反はなかったと判示し、ベルギーに関する980万ユーロの罰金のみを正当だとした。
〔ドイツでの競争法違反の疑いについて〕
自動車販売代理店の業務(注文の取次、修理、顧客サーヴィス等)は、販売業者自身のリスクに基いて行っている業務ではなく、競争法上、ダイムラー・クライスラー社と別個の企業というより、一体的な企業と見るべきである。欧州共同体法の競争法規定が禁じているのは、複数の企業が協調して競争阻害的な行為を行うことであって、一体的な企業における指示ではない。したがって、同社の取り極めは競争法違反ではない。
〔スペインでの競争法違反の疑いについて〕
ダイムラー・クライスラー社は、スペインの業者に対して、リース先の決まっていないリース業者に自動車を販売しないという取り極めをしたが、そもそもスペインの法律によれば、リース用の自動車をリース業者が取得する場合には、リースする相手方が決まっていなければならないとされているのであり、同社の取り極めは競争法違反ではない。
〔ベルギーでの競争法違反について〕
ダイムラー・クライスラー社の子会社は、販売業者と、値引きを制限する旨の取り極めを行ったが、これは価格競争の阻害を目的とした「威嚇」であり、競争法違反を構成する。