租税・社会保険負担:EU平均は四公六民、リトアニア・ラトヴィアで安く、スウェーデン・デンマークで高い
欧州統計局と欧州委員会租税・関税連合(関税同盟)総局は、中央ヨーロッパ時間21日、1995年から2003年までのEUにおける租税・公課負担の統計を発表した。
それによれば、EU25か国平均で、総租税・公課負担(Gesamtabgabenbelastung)は国内総生産(GDP)の40パーセントにのぼることが明らかになった(1995年で40.5パーセント、2003年で40.3パーセント)。また、ユーロ圏12か国では、これを僅かに上回る数字が出た(1995年で40.8パーセント、2003年で41.0パーセント)。
総租税・公課負担は、国内で課せられている租税及び義務的な社会保険の総額であり、また、GDPは、国内におけるすべての構成員の所得を合計したものであるから、結局、この割合は、所得における税金と社会保険の平均的な負担率を表示していることになる。したがって、EUの平均は「四公六民」であることになる。
もっとも、租税と社会保険の分野は、国政の核心ともいうべき分野であるから、EUレヴェルでの平準化(Angleichung)は(完全に共同体の管轄事項となっている関税を除き)ほとんど進んでおらず、国によるばらつきが大きい。
おおむね、社会保障の充実を国策として掲げている北欧諸国においては負担率が高く、逆に、バルト三国では低かった。
また、労働・消費・負担の分野別のインプリシット(陰)税率(implizite Steuersätze、implicit tax rates)も発表された。この指数より、分野別の負担の重さを比較することができるが、これを見ると、労働に課せられる負担が最も高く(EU25:35.9パーセント、ユーロ圏12:36.8パーセント)、次に、資本に課せられる負担が重く(EU25:25.4パーセント、ユーロ圏12:28.2パーセント)、消費に課せられる負担が最も軽かった(EU25:22.0パーセント、ユーロ圏12:21.5パーセント)。
〔国別データ〕
2003年時点での租税・社会保険の負担が安上がりだったのは、次の国々:
- リトアニア:28.5パーセント(1995年は28.6パーセント。ほぼ変わらず)
- ラトヴィア:28.9パーセント(1995年は33.6パーセントで、減税傾向が見られる)
- アイルランド:29.9パーセント(1995年は33.5パーセントで、減税傾向が見られる)
- スロヴァキア:30.6パーセント(1995年は40.5パーセントで、劇的に減少した)
- キプロス:33.3パーセント(1995年は26.9パーセントで、急激に増加した)
- エストニア:33.4パーセント(1995年は37.9パーセントで、減税傾向が見られる)
- マルタ:33.6パーセント(1995年は26.9パーセントで、急激に増加した)
- スペイン:35.6パーセント(1995年は33.4パーセントで、若干増税傾向にある)
- 連合王国:35.7パーセント(1995年は35.4パーセントで、ほぼ変わらず)
- ポーランド:35.8パーセント(1995年は39.4パーセントで、減税傾向が見られる)
- チェコ:36.2パーセント(1995年は36.2パーセントで、ほぼ変わらず)
- ギリシャ:36.2パーセント(1995年は32.6パーセントで、増税傾向が見られる)
次に、租税・社会保険の負担率がEU平均に近い国々は、次の通り:
- ポルトガル:37.0パーセント(1995年は33.6パーセントで、増税傾向が見られる)
- ハンガリー:39.1パーセント(1995年は41.6パーセントで、減税傾向が見られる)
- オランダ:39.3パーセント(1995年は40.6パーセントで、若干減税傾向が見られる)
- スロヴェニア:40.1パーセント(1995年は40.8パーセントで、ほぼ変わらず)
- ドイツ:40.3パーセント(1995年は40.8パーセントで、ほぼ変わらず)
- ルクセンブルク:41.3パーセント(1995年は42.3パーセントで、若干減税傾向が見られる)
- イタリア:42.9パーセント(1995年は41.2パーセントで、若干増税傾向が見られる)
最後に、租税・社会保険の負担率が高い国々は、次の国々:
- オーストリア:43.0パーセント(1995年は41.3パーセントで、増税傾向が見られる)
- フランス:43.8パーセント(1995年は43.7パーセントで、ほぼ変わらず)
- フィンランド:44.8パーセント(1995年は46.0パーセントで、若干減税傾向が見られる)
- ベルギー:45.7パーセント(1995年は45.1パーセントで、ほぼ変わらず)
- デンマーク:48.8パーセント(1995年は49.0パーセントで、ほぼ変わらず)
- スウェーデン:50.8パーセント(1995年は49.5パーセントで、若干増税傾向が見られる)
また、2005年現在の法人税(Körperschaftssteuer)の実効税率(effektiver Regelsatz)を見ると、最も安上がりなのはキプロス(10パーセント)で、アイルランド(12.5パーセント)、ラトヴィア(15.0パーセント)、リトアニア(同)、ハンガリー(17.5パーセント)、ポーランド(19.0パーセント)、スロヴァキア(同)、エストニア(24.0パーセント)、オーストリア(25.0パーセント)、スロヴェニア(同)、チェコ(26.0パーセント)、フィンランド(同)が続いた。中東欧諸国が、企業にとって魅力的な税制を整えることにより、企業の誘致を図ろうと努めていることが看取される。
さらに、2005年現在の所得税(Einkommensteuer)の最高税率を見ると、最も安上がりなのはスロヴァキア(19.0パーセント)で、エストニア(24.0パーセント)、ラトヴィア(25.0パーセント)、キプロス(30.0パーセント)、チェコ(32.0パーセント)、リトアニア(33.0パーセント)、マルタ(35.0パーセント)が続く。スロヴァキアをはじめとして、これらの国々が富裕層を優遇していることがわかる。
逆に、デンマーク(59.0パーセント)、スウェーデン(56.5パーセント)、フィンランド(52.1パーセント)、オランダ(52.0パーセント)、オーストリア(50パーセント)、スロヴェニア(同)、ベルギー(同)では最高税率が50パーセント以上となっている。
今回の統計は、欧州統計局のウェブサイトから、Eメールで請求できる。





