2004年一人当りGDP:EU内格差は5倍以上、25か国平均は日米を下回る
欧州統計局(Eurostat)は、中央ヨーロッパ時間20日、2004年の一人当り国内総生産(GDP)に関する統計を発表した。それによれば、EU内の一人当りの国内総生産には5倍以上の格差が存在することが明らかとなった。
マクロ経済学的には「国内総生産=国内総所得」という等式が成立することになっているため、一人当りの国内総生産は、おおよそ所得の平均額を表すことになる。つまり、これによれば、EU内の平均所得には5倍以上の格差が存在することになる。
統計によれば、EU25か国の平均値を100とした場合に、最高を記録したルクセンブルクの指数は227となり、最低を記録したラトヴィアの指数は43となった。つまり、ルクセンブルクの平均所得はラトヴィアのそれの5倍以上となる。
もっとも、ルクセンブルクの一人当りGDPが飛びぬけて高かった理由には、近隣国に居住しつつルクセンブルクで商売をする人々が数多く存在すること(つまり、分母が一定のまま分子が大きくなること)がある旨欧州統計局は説明している。尤も、それは理由の一つということであり、他にも、優遇政策のためルクセンブルクには銀行・ファンドが集中しており、居住者に欧州連合関係者が多いという事情がある(ちなみに、指数は購買力ベース(KKS = Kaufkraftstandards)で算出されているため、ルクセンブルクの物価高は関係ない)。
逆に低かったのは、バルト三国や中欧新規加盟国であり、前述のラトヴィアのほか、リトアニア48、ポーランド49、エストニア51、スロヴァキア52、ハンガリー60となった。チェコは71で、ポルトガルの72とほぼ同水準だった。
なお、加盟候補国の指数も(先日の欧州理事会で加盟候補国と認められたマケドニアを除き)公表されたが、それによれば、クロアティアが46、ルーマニアが31、ブルガリアが30、トルコが29となっている。
これらの国々は、現状においては経済状態が悪い貧しい国であるということになるが、将来的には、EUから多額の資金が流入するため今後大きな成長が見込まれる(EUは域内の市場を均一化することを一つの使命としている)。現に、最近のバルト三国の経済成長には目を見張るものがある。
〔日米との比較〕
統計においては、比較対照のために日米の指数も公表された。それによれば、EU25か国を100とした場合の指数は、合衆国は151、日本は112となった。したがって、日米ともにEU内の平均値を上回り、特に合衆国はEUを大きく引き離していることになる。EUが最近科学分野に力を入れ、合衆国への頭脳流出を食い止めようとしている背景には、このような事情がある。
もっとも、ユーロ圏12か国だけで見ると指数は107となり、日本の指数にかなり近接する。また、国ごとに見ると、アイルランドの138、オランダの125、オーストリアの123、デンマークの122、ベルギーの119、スウェーデンの118、連合王国の117、フィンランドの113は日本を上回っている。また、EU加盟国ではないがノルウェーは154であり、合衆国をも上回っている。
この経済的な強さが、ノルウェーにおいてEU加盟不要論が根強い理由である。同じく、EU加盟不要論が根強いスイスでは、132となった。
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