ガリレオ計画:試験衛星GIOVE-A衛星の打ち上げ成功
ガリレオ計画の初衛星であるGIOVE-A衛星の打ち上げが、中央ヨーロッパ時間28日に成功した。同衛星は、中央ヨーロッパ時間午前6時19分に、カザフスタン南部のバイコヌル(バイコニル、バイコニュル)宇宙基地より、ロシアのソユーズ(Союз、サユーズ。ロシア語で「連邦」の意味)・ロケットにより打ち上げられた。GIOVE-Aは、午後1時51分に高度2万3222キロメートルに到達し、無事操業を開始した。

© European Community, 2005
ガリレオ計画は、欧州連合(EU)と欧州宇宙機関(ESA)が共同で進めている測位システムの構築計画であり、成功すれば、世界で初めての文民管理による測位システムとなる。
現在、操業している測位システムには、合衆国の国防総省が管掌するGPS(Global Positioning System)と、ロシア防衛省が管掌するグロナス(ГЛОНАСС = Глобальная Навигационная Спутниковая Система、直訳すれば「グローバル・ナヴィゲーション衛星システム」)があるが、いずれも軍部の管理下にある。このため、民間利用に関しても、軍事目的によって正確さ等に一定の影響が与えられる可能性がある。
ガリレオ計画は、軍事目的に左右されないため、安定した民間利用が可能となるほか、先端技術を駆使して正確性を追及しており、数メートル単位での測位が可能であるとされる。
もっとも、文民管理によるといっても、軍事目的に使用することはもちろん可能であり、しかも、各国が合衆国のGPSに依存していた状況から脱却するという意味で、外交・安全保障政策上、きわめて大きなインパクトをもつ。
現時点において、ガリレオ計画には、EUのほか、中国・インド・イスラエル・ウクライナ・モロッコが参加しているが、特に欧中印がガリレオを通じて利害を同じくしていることは、きわめて興味深い事柄である。
また、南米諸国や韓国もガリレオ計画に参加する方向だといい、ガリレオを巡って今後どのような合従連衡が行われるか注目に値する。
ガリレオ計画は、衛星27機・予備機3機の計30機の衛星を利用して測位システムを実現する計画であり、2010年~11年ごろに30機による完全操業を実現する予定である。また、2008年からは、衛星4機による試験操業を行うという。
今回打ち上げられたGIOVE-Aは、テスト目的で打ち上げられるGIOVE機2機(GIOVE-AとGIOVE-B)のうちの最初の1機である。GIOVEとは、「ガリレオ軌道上評価エレメント(Galileo In-Orbit Validation Element)」の略。
GIOVEにおいては、衛星搭載原子時計(on-board atomic clocks)などの先端技術、信号システム、国際電気通信連合(ITU)により割り当てられた周波数帯などに関してテストが行われるという。

