2006年01月22日 ポルトガル情勢
欧州委員会:ポルトガルの外国金融機関への利子課税の改正を要求
© European Community, 2006欧州委員会は、中央ヨーロッパ時間16日、外国金融機関に対する不当な差別となっている金融機関課税について、ポルトガルに法改正を要求した。
ポルトガルの税法によれば、ポルトガル国内の法人・自然人に対して金融を行う場合、ポルトガル国外の金融機関は、利子に対して一律20パーセントの源泉税(Quellensteuer)を支払わなければならない。これに対し、ポルトガルの金融機関の場合にはその必要はなく、その代り、利子収入は利益の一部として法人税が課税される。
欧州委員会は、ポルトガル国内の金融機関であれば、金融の利子から預金者に支払う利子を差し引いた額が課税対象になるのに対し、ポルトガル国外の金融機関の場合には、金融の利子がそのまま課税されることになり、結果として、国外の金融機関の課税額のほうが高くなる事態が頻発していると論じている。
欧州委員会は、このような差別は、サーヴィス取引の自由を保障する欧州共同体条約49条や、資本取引の自由を保障する同56条に違反すると主張しているが、欧州委員会は、2003年6月のヘルリトセ判決(次の記事を参照)の判例を参考にしつつ、勝算があると見ている。
今回欧州委員会のとる措置は、いわゆる「理由を付した意見」(アヴィ・モティヴェ)であり、欧州司法裁判所への提訴の前段階にあたる。ポルトガルがこの意見に従わない場合には、欧州委員会は、欧州司法裁判所へ提訴することになる。
ポルトガルが欧州委員会の要求に応じて法改正を行えば、他のEU諸国の金融機関がポルトガルの法人などに融資しやすくなる。また、ポルトガルの法人はより多くの融資を受けやすくなるため、法改正がポルトガルの経済成長に寄与することも考えられる。







