欧州統計局:2月のインフレ率は2.3パーセントと予測、ユーロ圏のGDP成長率は年間1.7パーセント、欧州中央銀行:公定歩合を0.25パーセント引き上げ

© European Community, 2006
欧州統計局(Eurostat)は、中央ヨーロッパ時間1日、2月のユーロ圏12か国の年間インフレ率の予測値は2.3パーセントであると発表した。
欧州統計局によれば、このインフレ率予測の精度はきわめて高く、過去2年間(24回)のうち、12回は正確に予測し、11回は0.1パーセントの誤差、1回は0.2パーセントの誤差だった。
また、欧州中央銀行の理事会は、中央ヨーロッパ時間2日、インフレ傾向を抑制する必要があるとして、政策金利の0.25パーセント(=25ベーシスポイント)引き上げを決議した。この理事会には、ユーログループの長としてルクセンブルクのジャン=クロード・ユンカー首相兼財務大臣と、欧州委員会のホアキン・アルムニア委員も出席した。
これにより、欧州中央銀行の主要リファイナンス・オペレーションの最低提供利子率(〔独〕Mindestbietungssatz des Hauptrefinanzierungsinstruments、〔英〕minimum bid rate on the main refinancing operations、いわゆる公定歩合)は、2.50パーセントとなった。
また、限界貸出ファシリティ(〔独〕Spitzenrefinanzierungsfazilität、〔英〕marginal lending facility)は3.50パーセントに、預金ファシリティ(〔独〕Einlagefazilität、〔英〕deposit facility)は1.50パーセントに、それぞれ引き上げられた。
簡単に言うと、主要リファイナンス・オペレーションの利子率と限界貸出ファシリティは、欧州中央銀行が市中銀行に金を貸す場合の利子率であり、預金ファシリティは、市中銀行が欧州中央銀行に金を預ける場合の利子率である。
〔トリシェ総裁のコメント〕
インフレーションは、貨幣価値が下落する現象であるから(「物価が上昇する」というのは、同じ物品をより多くの貨幣と交換しなければならなくなることなので、結局「貨幣価値が下落する」ことと同じことである)、これを抑制する手段として公定歩合の引き上げがある。公定歩合が引き上げられると、市中での金利も上昇し、結局、企業や個人にとっては、銀行からの借り出しを減らし、預金を増やすインセンティヴが働くので、市場に流通する貨幣量が減り、貨幣価値が上昇する(したがってインフレを抑えられる)、というのが経済学上の理論である。
欧州中央銀行のジャン=クロード・トリシェ総裁は、利上げの決定について、「この決定は、私どもが経済・金融アナリシスをもとに確認した価格安定性に対する上昇リスクを反映しております。利子率を適合させることにより、長期的にみて存在するユーロ圏のインフレのおそれに対処する手段が、確実に、価格の安定と両立するようなレヴェルにしっかりと固定され続けることとなるでしょう(This decision reflects the upside risks to price stability that we have identified on the basis of both our economic and monetary analyses. The adjustment of interest rates will contribute to ensuring that medium to long-term inflation expectations in the euro area remain solidly anchored at levels consistent with price stability)」と述べたが、これは上記のような文脈で理解することができる。
また、トリシェ総裁は、「欧州統計局の速報予測値によりますと、2005年第四四半期のユーロ圏の実質GDP成長率は、前四半期比で0.3パーセントとなっております。この値は、前四半期の成長率である0.6パーセントよりはかなり低いものとなっておりますが、短期的なヴォラティリティというものは見てまいりましたし、最近の経済指数と調査情報を検討しますと、経済活動は改善しているということのようでございます。したがいまして、私どもといたしましては、さまざまな指数に基いた予測にも反映されておりますとおり、短期的にもより大きな成長率というものを視野に入れていくべきだということになるわけでございます。(According to Eurostat's flash estimate, quarter-on-quarter real GDP growth in the euro area was 0.3% in the fourth quarter of 2005. This was considerably lower than the strong 0.6% recorded in the previous quarter. However, looking through the short-term volatility and assessing recent economic indicators and survey information, the evidence suggests that economic activity is improving. Accordingly, we should see stronger growth rates over the short term, as also reflected in various indicator-based estimates)」とも述べた。
欧州統計局は、その翌日の中央ヨーロッパ時間3日、2005年の第四四半期のユーロ圏12か国のGDP成長率は、0.3パーセントだと正式に発表した。2004年第四四半期からの年間成長率を計算すると1.7パーセントとなった。
また、2005年の第四四半期のEU25か国のGDP成長率も、0.3パーセントだった。こちらは、2004年第四四半期からの年間成長率は1.7パーセントとなった。
EUにおいては確実に景気は回復しているが、日米を見ると、日本は年間成長率4.5パーセント(2005年第四四半期は1.4パーセント)、合衆国は3.2パーセント(同0.4パーセント)となっており、それと比較するとEUのGDP成長率はまだ頼りない。







