欧州経済新聞無料メール版
最新のニュースをメールでお届けします。
電子メールアドレスを半角で入力して登録します。


Powered by まぐまぐ
2007年07月19日   EU消費者保護

中国と製品安全性:FAQ

【19日・欧州委員会発表】欧州委員会のメグレーナ・クネヴァ委員(消費者保護担当)は、2007年7月21日から27日にかけて、中華人民共和国を訪問する。

――クネヴァ委員が訪中する理由は?

中国は、この数年間における製品安全性の消費者保護の問題について、欧州委員会の優先的案件であり続けた。今回は、2007年1月にクネヴァ委員が就任して以来はじめてのEU域外への公式訪問であり、EU域外への初めての公式訪問を中国に決めたということにより、クネヴァ委員が「製品安全性に関するさまざまな問題について、中国とのパートナーシップを構築することは重要だ」と考えているという強力なシグナルを送るものである。ここでいう「製品安全性に関するさまざまな問題」には、エンフォースメント・早期警告システム・効果的な市場の監視を含む。

――クネヴァ委員の訪中に際して、欧州委員会が中国当局に伝えたい中心的なメッセージは?

クネヴァ委員は、二つの重要なメッセージを送る予定である:

  • 「EUは、欧州的価値、とりわけ消費者の安全について妥協をすることはできないし、するつもりもない。」
  • 「市場の信頼性は不可欠なものである。緊密な協力関係を構築し、欧中製品安全性モニタリング・システムを拡大することは、中国とEUの双方にとって利益となる。われわれは、市場の信頼性を構築するため、中国当局とのパートナーシップの下で作業を行っていきたい。」

――全欧州で販売された欠陥製品の50パーセントが中国からの輸入品であるというのは本当か? ほぼ25パーセントが玩具であるというのは?

『ラペックス報告書』(RAPEX report)(ラペックスとは、欧州委員会消費者危険製品早期警告システムのこと)の最新号によれば、2006年においては、以下のカテゴリーの製品に関する通知が多かった。以下のカテゴリーは、通知された製品のほぼ75パーセントを占める。

  • 1. 玩具(221件、24パーセント)
  • 2. 電子機器(174件、19パーセント)
  • 3. 自動車類(126件、14パーセント)
  • 4. 照明器具(98件、11パーセント)
  • 5. 化粧品(48件、5パーセント)

EUのラペックス・システムおよび2006年のラペックス年次報告書については、以下のサイトを参照:

http://ec.europa.eu/consumers/dyna/rapex/rapex_archives_en.cfm

玩具・電子機器・自動車類だけで、2006年の通知の半数を超える。中華人民共和国は、全ケースのほぼ半数(440件、48パーセント)について、通知された製品の原産地国となっていた。このことは、主として、中国からEUへ輸入された製品の数が多いことによるものである。195件(21パーセント)については、EU25か国〔当時〕が原産地国となっている製品である。

原産地国不明の製品に関する通知数はきわめて多く、全部で159件(17パーセント)にのぼる。原産地国不明製品のこのような高い割合は、EUにおける危険製品の存在を評価する上で、制約要因ではある。しかしながら、前年は原産地不明製品の通知が20パーセントを占めていたことと比較すれば、若干の改善が見えるともいい得る。

もっとも、コントロールの度合は加盟国間でバラつきがあり、しかも標本抽出検査に基づいているため、ラペックスの数字は安全性要件の不遵守の水準を完全に反映しているわけではない。しかしながら、市場で派遣された危険製品のうち、中国製品(とりわけ中国玩具)の割合が異様に高い(over-represented)ことは、数字から明らかである。したがって、中国製品の安全性の向上は、重要な効果を有するであろう。

――中華人民共和国から輸入された欠陥製品は増えているのか?

第一に、われわれは中国から輸入された全物品の約48パーセントについて話をしているわけではないということである。ラペックスの数字は、通知が行われ、EU早期警告システムの警告がなされた製品についてのものでしかない。第二に、2003年から2006年の期間において欧中間の総貿易フローが著しく増加している一方で、中国製についてのラペックス通知の総数については安定しており、2007年上半期においては46パーセントに減少すらしている。

――EUにおける輸入製品の検査の責任者は誰か?

第一に、最重要なものとして、経済アクター、すなわち製造業者ないしそのEU内の商事代理人である。もちろん、加盟国当局は試験所で標本抽出検査を実施しており、それは製品がラペックス・システム行きになる一つの道である。時には、製造業者自身のイニシアティヴでラペックス警告が発動されることもある。製造業者により通知された自発的な措置の割合は、ラペックスの全通知において増加している。

――欧州の安全基準は偽装された通商保護メカニズムではないのか?

違う。欧州の安全基準の唯一の目的は、欧州の消費者を保護することである。世界中からEUに向けて輸入される製品は、どこから来たものであっても、厳格な欧州基準を尊重しなければならない。

EUは開放された市場であり、中国製品を含めて輸入を歓迎している。物品においては、中国はEUの第一位の輸入パートナーであり、EUは中国の第一位の貿易パートナーである。2006年に中国は1910億ユーロ分の製品をEUに輸出し、輸出成長率はさらに増加しつつある(2007年第1四半期において25.7パーセントの増加)。物品については、2006年の中国の対EU貿易黒字は1280億ユーロを超えており、それは現在も増加している。

――合衆国にも早期警告システムはあるのか? 合衆国との連絡はあるのか?

そうだ。合衆国にも同様のシステムがあり、われわれは定期的に協力・情報交換を行っている。しかしながら、合衆国は単一の消費者安全組織を有する単一国家であり、合衆国のシステムはわれわれのシステムよりもかなり統合的なものであるということを、忘れるべきではない。

――ラペックス統計や中国製品の通知件数は、中国との貿易の通常の帰結ではないのか?

中国製品のEUへの輸入の高い水準が、ラペックス統計における中国製品の高い存在率に貢献する要因となっていることは明らかである。

しかしながら、2006年の通知の約半数が中国製の製品に関するものであるということを、統計は示している。同時に、玩具に関するラペックス通知の約80パーセントは、中国製の製品に関するものである。したがって、これらの数字から明らかなのは、中国製品(とりわけ玩具)の割合がラペックス統計において異様に高いということである。その結果として、欧州委員会は、中国製品の安全性の改善のため、中国当局とのパートナーシップの下に作業を行っているわけである。加えて、欧州への製品輸出を望む中国の製造業者・貿易商の安全性要件に対する意識が高まることが不可欠である。

――「メイド・イン・チャイナ」の危険物品に関して欧州委員会がなし得ることは?

優先的な行動領域が3つある:

  • 1) 中国政府と協力すること。共通基準について合意すること。この安全基準のエンフォースメントのために、中国の市場検査官を職業訓練すること。
  • 2) 中国の製造業者に対して安全性要件に関する教育を行うこと。われわれの安全基準をアクセス容易なものにすること。
  • 3) 欧州市場において発見された危険製品の中国の製造業者を可能な限り精確にアイデンティファイすること。この情報を、フォローアップ行動のために中国当局に伝えること(EUラペックス中国システムを通じて)。

われわれは、中国製品について同様の懸念をもっている合衆国の消費者保護に関する同職者とも協力を行っている。

――欧中了解覚書が求めているのは?

2006年1月に、欧州委員会と中国政府は了解覚書に署名した。この了解覚書の目的は、消費者用製品の安全性について、よりよいコミュニケーションとコラボレーションを構築することであり、また、とりわけEUに輸出される消費者用製品について、製品安全性を確保しようと努力している中国当局の努力を支援することである。2006年5月にとった措置では、中国製の製品に関するラペックス情報を、読み取りのみ可能として中国政府に提供し、これにより、安全でない製品についての通知に関して、中国当局による直後のフォローアップが可能となった。

――欧州委員会は、中国当局に対して新たな了解覚書の交渉開始を提案する予定なのか?

欧州委員会は、現在の合意を拡大し、これを新しく現れた状況に適合させる必要について斟酌しているところである。もっとも、その前に、われわれは、「既存のコミットメントの適切かつ完全に実施するとともに、強化すべき協力分野を強化することが不可欠である」ということを、中国側の同職者に対して力説しなければならない。

――「より安全な玩具へのロードマップ」とは?

了解覚書により構築された枠組に加えて、「より安全な玩具」に特化したロードマップが2006年9月に署名された。この合意の目的は、中国からEUに向けて輸出される玩具が安全であることを保証するとともに、中国で生産される玩具の安全性を改善する戦略の梗概を示すことである。欧州と中国の双方の玩具製造業者団体から支持されたこのロードマップの内容は、職業訓練と技術支援に関する実践的な措置、欧中の当局間でのラペックス情報の交換、危険製品の追跡・フィードバック・フォローアップメカニズムである。このロードマップには、欧州に輸出される玩具の検査・監督を強化するとの中国当局からのコミットメントも含まれている。

著作権
« EU助成研究によりHIV患者に希望 | トップへ | 2006年労働力調査 EU27の就業率は64.4%に上昇 女性は54.2%に上昇 »