2007年07月31日 EU危機管理

欧州委員会のディーマス委員が山火事についてバルニエ前委員の「緊急対応軍」のアイディアを歓迎

【31日・欧州委員会発表】欧州委員会のスタヴロス・ディーマス委員(環境・市民保護担当)は、本日、山火事に関して、「緊急対応軍」(rapid reaction force)に関するミシェル・バルニエ前委員のアイディアを歓迎した。バルニエ前委員は、「欧州市民保護軍に関する報告書」の執筆者であり、この報告書において、最近の山火事のような緊急事態に即時に対応できる欧州軍の創設を提案している。南欧での山火事の損害が生じている現在において、このアイディアは、時宜を得たものとなっている。昨日、フランスのニコラ・サルコジ大統領とギリシャのコスタス・カラマンリス首相は、自発的にリソースをプールするという伝統的なやり方を超える緊急対応軍の分野において、協力が緊密になることを求めたところである。

スタヴロス・ディーマス委員は、「サルコジ大統領とカラマンリス首相が、山火事に関して、緊急対応軍の創設への支持を表明したことは、誠に心強いことである。バルニエ前委員が昨年発表した報告書の根幹を成すこのアイディアが、加盟国にとって必要な措置であることは、〔山火事の〕現実が証明しているところである。欧州のパートナーの支援があって初めて、何百万ヘクタールもの森林を破壊した凄惨な炎に対峙することができる。今こそこのメカニズムを強化し、将来においてわれわれがもっと効果的に行動できるようにしよう」と述べた。

バルニエ前委員が協力の緊密化求める

バルニエ前委員(現在フランス農業大臣)は、昨年、欧州委員会のジョセ・マヌエル・バローゾ委員長の要請により、欧州市民保護メカニズムを強化する方法を提案する報告書を提出した。バルニエ前委員は、常設軍を創設して、少数の主力部隊がいつでも確実に出動可能であるようにすることを提案している。この方法により、市民保護のリソースを出動させるのに必要な時間は、劇的に減少することになる。

バルニエ前委員の提案によれば、山火事の場合、欧州として信頼性のある対応を確実に行うためには、少なくとも10機のスタンバイした戦闘機が必要である。このようなリソースは、その管理については、自発的にこれを供出している加盟国が管理行うことになるものの、全欧的ミッションへの出動要請については、監視情報センターが行うべきであり、この監視情報センターについても、さらなる機能強化を行い、純粋な指令センターへと発展させるべきである。

欧州委員会監視情報センターは、南欧中に損害を与えている山火事の災害支援につき、ギリシャ、キプロス、イタリア、ブルガリア、(最も最近では)旧ユーゴスラヴィアマケドニア共和国から、合計8件の要請を受けている。これらの要請については、監視情報センターから即時の対応がなされている。イタリア・フランス・スペイン・ギリシャを含むさまざまな加盟国による「欧州市民保護メカニズム」により、支援が提供されている。状況は現在でも切迫しており、南欧のEU加盟国のすべてと近隣諸国のほとんどが、自国領土における主要な火事に対して対策を講じているところである。

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