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2007年09月07日   EU競争

合併審査:SCAによるP&Gの欧州ティッシュ事業の買収を欧州委員会が条件付きで許可

【6日・欧州委員会発表】欧州委員会は、スウェーデンのSCAが合衆国企業プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)の欧州におけるティッシュ事業を買収する計画につき、EU合併審査規則に基づき審査を行い、これを許可した。両社とも、ティッシュの大手供給事業者である。欧州委員会は、この買収を許可するにあたって、SCAが「ソフティーズ」(Softis)商標のポケットティッシュ・顔用ティッシュ事業部門を売り払うという条件をつけた。欧州委員会は、「この条件が充たされる場合には、この買収計画により、欧州経済地域またはその本質的構成部分における効果的な競争が著しく阻害されることはない」との結論に達した。

SCAは、スウェーデンの企業であり、欧州全土でヘルスケア事業を行っている。ティッシュ事業においては、トイレットペーパー、キッチンペーパー、ポケットティッシュ・顔用ティッシュの供給を行っている。SCAの主な商標は、「エデット」(Edet)、「ソフティーズ」、「ヴェルヴェット」(Velvet)、「ツェヴァ」(Zewa)である。

P&Gの欧州ティッシュ部門(P&G ECT)は、トイレットペーパー、キッチンペーパー、ポケットティッシュ・顔用ティッシュの製造と供給を行っている。主な商標は、「バウンティ」(Bounty)、「チャーミン」(Charmin)、「テンポ」(Tempo)、「ブルーミア」(Bluemia)、「ベス」(Bess)である。

自己商標のほか、SCAと(少ないながらも)P&G ECTは、他人商標のティッシュ(小売業者が自己の商標で販売する製品)の製造も行っている。

小売商の仕入は自己商標製品と他人商標製品で別々であるが(自己商標製品は相対交渉により、他人商品製品は入札による)、スーパーマーケットの店頭では同じ棚に並ぶ。欧州委員会は、供給段階では自己商標製品と他人商標製品の製品市場は別個のものであることを確認しており、本件の評価にあたっては、川下の小売段階(スーパーマーケット)における自己商標製品と他人商標製品の競争関係が決め手となった。

欧州委員会の市場調査の結果、欧州全域のティッシュ業界において他人商標製品の重要性が増していることが明白となった。小売における販売の割合は、欧州全域で約5割をコンスタントに保っており、さらに増加している。

両社の活動が最も重なり合っていたのは、ドイツとオーストリアの小売に対する自己商標のトイレットペーパー、キッチンペーパー、ポケットティッシュ・顔用ティッシュの製造と供給であった。また、両社とも、自己商標製品が他人商標製品の強力な競争圧力に圧されていることを欧州委員会は確認した。このため、欧州委員会は、同市場における両社の市場率の高さにもかかわらず、買収により成立する企業が市場力を行使したり、卸売価格を引き上げたりすることは不可能であるとの結論を下した。但し、ドイツとオーストリアの自己商標のポケットティッシュ・顔用ティッシュの製造と供給については、上記と異なる結論となった。当初の申請通りの買収計画によれば、ドイツとオーストリアの市場におけるポケットティッシュ・顔用ティッシュ2つの最大商標(P&Gの「テンポ」とSCAの「ソフティーズ」)が同じ傘の下に入ることになり、異常に高い市場占有率と競争阻害を惹き起こすことになる。ポケットティッシュ・顔用ティッシュについては、トイレットペーパーやキッチンペーパーより特定の商標に選好を示す傾向が消費者にみられるため、他人商標製品は、当該事業に対する十分な競争圧力とならないものと見られる。

SCAは、欧州委員会の懸念を一掃するため、ドイツ・オーストリアにおける「ソフティーズ」のポケットティッシュ・顔用ティッシュ事業部門を生産拠点もろとも売却し、買い手がラインと販売人員・マーケティング人員を任意に変更して配置できるようにするという条件に同意した。さらに、SCAは、市場テストにおける第三者意見に鑑み、買い手が望む場合には、事業の存続のために、現在SCAが事業を展開しているすべての国(主として中欧・東欧)において「ソフティーズ」商標を買い手に譲渡する義務を負う。

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