人権対話のインパクトを最大化
【6日・欧州議会発表】欧州議会は、欧州委員会・理事会に対して、EUが第三国との人権対話を行うにあたって一貫性を高めることを保証するよう求める内容の報告書を、自らの発案で採択した。欧州議会議員たちは、現在進行中の人権対話の内容について欧州議会が情報提供を受ける必要性について強調している。また、もっと厳しい基準や監視メカニズムを用いることも求めている。
エレナ・バレンシアノ・マルティネス=オロスコ(Elena VALENCIANO MARTÍNEZ-OROZCO)議員(欧州社会党、スペイン)の起草によるこの報告書は、第三国との人権対話について懸念を表明している。報告書によれば、人権というのは、「市民的権利・政治的権利だけでなく、社会権・環境権・経済的権利・文化的権利」を包括するものであり、「人権対話の目的は、人権は普遍的で不可分で相互依存的なものであるという原理に基づいているべきである」。さらに、報告書は、「第三国における人権の促進・保護は、地政学的な同盟関係や地域戦略的な同盟関係の影響を受けてはいけない」と警告している。
報告書の原稿は、「人権対話にはいろいろな種類がありすぎ、その各々がまちまちの構造・形式・頻度・方法に基づいて行われているため、全体像を不明瞭なものにするとともに、この分野におけるEUの行動に関する混乱を惹き起こしている」と論じている。報告書は、メカニズムを改善する方法について、いくつかの勧告をおこなっている。欧州議会議員は、理事会に対して、「人権対話の開始・停止・終了について明確な基準を設定する」ことを求めるとともに、「すべての階層の市民社会が関わる民主化プロセスの監視・支援のため、選挙後覚書メカニズム(post-electoral protocol mechanism)」を機能させることを求めている。
中国、ロシア、イランに焦点
この報告書はプロセス全体に着目するものであり、個々の対話や個々の国に関するものではないが、だからといって、多くの国々について特別な注意を払うことをしていないわけではない。
報告書は、「欧中人権対話をかなりの程度強化・改善する必要性」を強調するとともに、「中国の人権の記録は深刻に懸念される問題であることに変わりはないことを強調」している。そして、欧州委員会は、確実に「中国との通商関係を人権改革に連動させる」ようにすべきだとしている。
ロシアにおける人権状況についても「心配だ」としており、カギとなる分野は、集会の自由・表現の自由・報道の自由だとしている。欧州議会議員は、欧州委員会と理事会が、〔ロシアに対して〕「具体的な義務」を課するとともに、「ロシアが負っている義務を充たしているかどうかを監視・検証する効率的なメカニズムを創設する」ことを求めている。
欧州議会議員は、イランとの人権対話が同国の非協力により2004年以来中断していることについても懸念しており、欧州委員会に対して、良い統治(good governance)の促進を目的とした財政支援プロジェクトを継続するとともに、イランにおける女性と子どもの人権を支援することを求めている。
"Maximising the impact of human rights dialogues" (20070903IPR09987),
http://www.europarl.europa.eu/news/expert/default_en.htm,
© European Communities, 1995-2007.
Japanese translation: © Oushu Keizai Shimbun (Europäische Wirtschaftszeitung) GmbH, 2007.
Responsibility for the translation lies entirely with
Oushu Keizai Shimbun (Europäische Wirtschaftszeitung) GmbH.
原文英語、
『Maximising the impact of human rights dialogues』(20070903IPR09987)、
http://www.europarl.europa.eu/news/expert/default_en.htm、
© European Communities, 1995-2007.
和訳:© Oushu Keizai Shimbun (Europäische Wirtschaftszeitung) GmbH, 2007.
すべての翻訳文責は欧州経済新聞社にあります。





