ヘルデーゲン『EU法』(中村匡志訳、ミネルヴァ書房)画像

視聴覚メディアサーヴィスの供給に関する加盟国の法規定および行政規定を調整する2010年3月10日の欧州議会および理事会指令(EU 2010年13号)(視聴覚メディアサーヴィスに関する指令)16条

日本語訳

① 加盟国は、テレビ局がその放送時間(ニュース、スポーツ報道、ゲームショー、広告、文字放送およびテレビショッピングに該当しないものをいう。)の50パーセント超(Hauptanteil, majority proportion)を欧州著作物の放送に留保することとなるよう、実際に実施可能な枠内においてかつ適当な手段により、配慮するものとする。この割合は、情報分野、教育分野、文化分野および娯楽分野における視聴者に対する放送局の責任を斟酌しつつ、適切な基準を手掛かりとして、段階的に達成しなければならない。

② 第1項に基づく割合が達成できない場合であっても、この割合は、1988年に当該加盟国において平均として確認された割合を下回ってはならない。

 但し、ギリシャおよびポルトガルについては、1988年の代わりに1990年とする。

③ 加盟国は、1991年10月3日から2年ごとに、欧州委員会に対し、本条および第17条の実施に関する報告を行う。

 この報告は、とりわけ、当該加盟国の統治権に服する各テレビ番組が本条および第17条にいう割合をどの程度達成したか、各事案においていかなる理由によりこの割合が達成できなかったか、および、この割合を達成するためにいかなる措置が講じられまたは予定されているかが明らかとなる統計的概観を含むものとする。

 欧州委員会は、この報告を(必要な場合には意見とともに)他の加盟国および欧州議会に了知させるものとする。欧州委員会は、本条および第17条がEU作用条約の規定に基づいて執行されるように配慮する。欧州委員会は、その意見においては、とりわけ、前年に対して達成された進捗、番組編成における初放送の割合、新たなテレビ局における特殊状況および視聴覚生産能力が低くまたは言語圏が限定されている国の特殊状況を顧慮するものとする。