CDU・CSU:ドイツ連邦首相候補にアンゲラ・メルケル女史を指名
ドイツのキリスト教民主同盟(CDU)・キリスト教社会同盟(CSU)は、中央ヨーロッパ時間30日、今秋に予定されている連邦議会選挙の連邦首相候補として、CDU党首兼CDU/CSU会派長のアンゲラ・ドロテーア・メルケル(Angela Dorothea Merkel)女史=50歳=を指名した。メルケル党首は、ドイツの歴史ではじめての女性連邦首相(Kanzler、別訳:宰相)候補となる。
メルケル党首は、1954年にハンブルクで生まれたが、父親の仕事(福音派聖職者)の関係で、旧東ドイツで育った。大学では物理学を専攻し、博士論文『単純連結解除を伴う分解反応のメカニズムの研究、及び、量子化学的・統計的方法に基く速度定数の算定(Untersuchung des Mechanismus von Zerfallsreaktionen mit einfachem Bindungsbruch und Berechnung ihrer Geschwindigkeitskonstanten auf der Grundlage quantenchemischer und statistischer Methoden)』で博士号を取得。ベルリンの旧東独科学アカデミーの物理化学研究所研究員として働く傍ら、旧東独独裁政権の公認団体である「自由ドイツ青年団(Freie Deutsche Jugend)」のアジテーション・プロパガンダ総務を務めるなどの政治活動を行った。
旧東独の一党独裁体制が崩壊した1989年には「民主的出発(Demokratischer Aufbruch)」に入党し、1990年には同党のCDUとの吸収合併によりCDU党員となった。同年、連邦議会(Bundestag)議員に当選。当時の連邦首相ヘルムート・コール(Helmut Kohl)に気に入られ、1991年には連邦女性青年大臣として入閣、1994年には連邦環境・自然保護・原子炉安全大臣に就任した。
1998年の選挙でSPDが勝利し、CDUが野党になってからは、党幹事長を経て、党首に就任した。2002年の選挙では、CSU党首のエドムント・シュトイバー(Edmund Stoiber)バイエルン州首相に連邦首相候補を譲り(シュトイバー氏は選挙の結果敗北)、自らはCDU/CSU会派長に就任した。
メルケル党首は、トルコのEU加盟については反対の立場をとっており、トルコとEUの関係は経済連携協定に留まるべきだと主張している。しかし、仮にメルケル党首が連邦首相となったところで、既に欧州理事会(Europäischer Rat)=各国政府首班と欧州委員長により構成=の全会一致で決定したトルコとの加盟交渉を停止させることは困難(事実上不可能)であり、このような主張を前面に出して選挙戦を戦うことについては、欧州委員会のフェアホイゲン副委員長や自由民主党(FDP)=CDU/CSUが選挙に勝利した場合には、ともに連立政権を組むことが濃厚=党首のヴォルフガング・ゲアハルト(Wolfgang Gerhardt)氏が批判を加えている。


